羊肉の中でも、世界的に高い人気を誇る部位がラムチョップです。
程よいサイズ感があり、骨つき肉でありながら肉離れがよく、
骨つきならではの旨みと、食べやすさを兼ね備えています。
そのバランスの良さこそが、ラムチョップが「ごちそう」として扱われてきた理由だと言えるでしょう。
ヨーロッパをはじめ、多くの地域で、ラムチョップは特別な日の料理として親しまれてきました。
羊肉と聞いて、まずラムチョップを思い浮かべる人が多いのも、自然なことかもしれません。
ラムチョップとはどのような部位か
ラムチョップは、生後1年未満の羊のロース肉を、骨つきのままカットした部位です。
牛で言えば、リブロースにあたる部分になります。
ロースを塊のまま骨つきで残したものは「ラムラック」と呼ばれ、
その背骨を取り除いた状態が「フレンチラック」です。
このラックから、1本ずつ切り分けたものがラムチョップになります。
1つのラックからは、8本のラムチョップが取れます。
なお、「チョップ(chop)」には「刻む」「叩き切る」といった意味があり、
空手チョップの語源と同じ言葉です。
骨つき肉の魅力を、比較的手軽に楽しめる部位と言えるでしょう。
ラムチョップが支持される理由
ラムチョップが多くの人に好まれる理由はいくつかあります。
骨の周囲はあまり動かないため、肉質が柔らかく、きめが細かいこと。
焼くことで骨の中の旨味成分が肉に移り、味わいに奥行きが出ること。
片手で持てるため、食べやすいこと。
さらに、骨膜など、通常の精肉では味わえない部位を楽しめる点も特徴です。
肉を食べ終えたあと、骨の周りに残った骨髄を味わうのも、
骨つき肉ならではの楽しみ方のひとつです。
ラムチョップとその周辺部位の呼び方
骨つきロースは、処理の仕方によって呼び名が変わります。
「ラック」は、骨つきロースを塊のままにした状態。
「フレンチラック」は、その骨部分をきれいに整えたものです。
このフレンチラックを、1本ずつ切り分けたものがラムチョップになります。
骨が美しく見えるのが、フレンチラックの特徴です。
骨つきロース(総称)
└ ラック(塊)
└ フレンチラック(骨掃除済みの塊)
└ ラムチョップ(1本カット)
各国で見られるラムチョップの個性
スペイン
非常に小ぶりで、20gに満たないものも多く、一口サイズが中心。
生後数か月のミルクラムが多い一方で、意外なほどしっかりとした羊の香りを感じます。
アイスランド
上品で食べやすい味わいながら、餌の影響による独特の香りが特徴。
サイズは小さめで、扱いやすい印象です。
1000年以上にわたって受け継がれてきた純血種のため、
現在のラムチョップも、昔とほぼ同じ形をしていると考えられています。
ニュージーランド
クセが少なく、サイズ感も安定していることから、
日本のスーパーで流通しているラムチョップの多くはニュージーランド産です。
もっとも親しみやすい味として記憶している人も多いでしょう。
ウェールズ
羊らしさと繊細さが同時に感じられる味わい。
若い羊でありながら、適度な歯応えがあり、
後からラム特有の風味が広がります。
1本40g前後と小ぶりですが、そのサイズ感が料理として映えます。
オーストラリア
1本100g近いサイズで、しっかりとした食べ応え。
羊の香り、甘みのある脂など、ラムチョップの魅力をストレートに感じられます。
カプリ(脂身)がついていると、満足感はさらに高まります。
アメリカ
100gを超えるものも多く、最大級のラムチョップと言える存在。
大きく、甘みがあり、脂身が多いのが特徴です。
2本食べれば十分なボリュームで、感覚としてはステーキに近いかもしれません。