年配の方から、 「羊肉、最近高すぎない?」 と言われることがあります。
これは、とても自然な感想です。
というのも、昭和30年代頃の日本では、 羊肉はもっとも安い食肉でした。
ジンギスカン用のロール肉を中心に、 「安くお腹を満たす肉」という位置づけだったからです。
では、なぜ今は 「羊肉=高い」と感じるようになったのでしょうか。
理由は、実はとてもはっきりしています。
なぜ羊肉は高くなったのか?
① 世界的に羊肉の価格が上がっている
羊肉は、世界ではもともと ハレの日のごちそう肉として食べられてきました。
近年、羊肉を食べる文化を持つ国々で経済が発展し、 「たまにしか食べられなかった羊肉」を 日常的に食べられる人が増えています。
その結果、 世界的に羊肉の需要が増え、価格が上昇しています。
元々羊は高い物です。日本だけ間違ったイメージが広まっていたので、是正されてきていると私は思います。
② そもそも、輸入されている羊の“質”が違う
以前の日本では、
- 冷凍のロール肉
- 加工品原料向け
- 低価格帯の部位
といったものを、
「安さ最優先」で輸入していました。
現在は、
- チルド(冷蔵)
- 部位指定
- 品質重視
の羊肉が主流になり、 輸入されている羊そのものが変わっています。
価格が上がったというより、 「選んでいる羊が変わった」
と言ったほうが近いかもしれません。
世界では、羊肉は高級肉
実は、 「羊肉=安い」 という感覚を持っているのは、 ほぼ日本だけです。
羊肉文化のある地域では、 羊肉は今でもごちそう肉。
たとえばオーストラリアでも、 普段は牛肉を食べ、 家族が集まる日曜日などに
「サンデーロースト」として羊肉を食べます。
つまり、 日本独特の「羊=安い」という感覚で世界を見ると、 少しズレてしまう、というわけです。
実際、羊肉はいくらくらい?
細かい価格は部位や時期で大きく変わるため、
ここではkgあたりの大まかな目安として見てください。
オセアニア(オーストラリア・ニュージーランド)
- 約2,000円前後〜8,000円超
幅が広いですが、 生産効率が高く、飼育頭数も多いため、
高品質でも比較的手に取りやすい価格帯を実現しています。
「安い=美味しくない」 というわけでは決してなく、
優秀すぎるのがオセアニア産、という印象です。
ヨーロッパ系
- 約2,500円〜10,000円前後
国や部位によって差は大きいですが、 全体的に高価格帯。
以前、築地で 「ウニがkg6,000円」 と聞いて驚いたことがありますが、 それより高い羊肉も珍しくありません。
アメリカ
アメリカは、やや別枠です。
小売価格ですが、 スーパーでラムチョップ1本が2,300円
で売られていたこともあります。
穀物肥育による甘い脂、 1本あたりのサイズの大きさなどを考えると、
「ステーキ価格」と考えた方が近いかもしれません。
※1本単位(約100g前後)のため、
他国と単純比較はできませんが、参考までに。
国産羊肉
- 約2,500円〜8,000円以上
飼育頭数が少なく、
手間をかけて育てられているため、 どうしても価格は高くなります。
ただし、これは 暴利を取っているわけではなく、
かかったコストの結果としての価格です。
日本で羊の生産を続けるためには、 必要な価格帯でもあります。
まとめ:高くなったのではなく、変わった
羊肉は、
- 世界的に需要が増え
- 輸入される品質が上がり
- 日本の位置づけが変わった
その結果、
「安い肉」から
「きちんと選ぶ肉」になりました。
今回の価格帯は、 あくまでこれまでの経験と感覚をまとめた目安です。
部位や時期によって、大きく変わることもあります。
参考程度にしつつ、 「高い・安い」だけでなく、
なぜこの価格なのか を知ってもらえたらと思います。