当コラムでは旅好きである筆者が、国内で頂ける「海外の本格的な羊料理」や「日本独特の羊料理」などについて書いてゆきたいと思います。コンセプトは、「旅を感じさせてくれる羊料理」です。
■クビデ・キャバーブの美味しいお店〜その1〜
前回、当コラムの方向性を書かせて頂きましたが、その中で言及したチェロウ・キャバーブ。これはペルシャ語でチェロウ=ご飯、キャバーブ=焼き物を指します。ずばり、肉などの焼き物を添えたご飯料理ですね。イランを旅しているときは連日チェロウ・キャバーブばかり食べており、中でも羊のミンチを焼き上げたクビデ・ケバブは一番気に入った料理です。そのクビデ・ケバブを日本で頂き初めて美味しい!と思ったお店がこちら。名古屋にあるアリアナレストランです。
▲看板には「インド・アフガニスタン・イラン料理」と書いてあり、明らかにインド料理で日本人を誘い込もうという魂胆がミエミエです!笑
しかし、こちらで頂いて欲しいのは【ライス・クビデ・セット】となります。
▲ライス・クビデ・セット
クビデだけでなくジュージャ(レモンでマリネした鶏肉を焼いた料理)も添えられており、豪華な一皿。焼きトマトと生のタマネギが付いてくるのも、現地同様のスタイルです。
ちなみに、ライスに振りかけられている赤紫色の実はゼレシュクと言うスグリの一種で、酸味がきいているため、羊肉や焼き物との相性が抜群です。通常、オプションで掛けてもらうので、デフォルトで掛けられているこちらは凄い、と感じました。
さて、肝心のクビデですが、羊肉を叩いて練っているため、食感はギュッとしております。基本的に水分が少ないのですが、微妙にジューシィで、実はこの微妙さがマニア心をくすぐります。多くの日本人にとってクビデは「パサパサ」しているように感じるかもしれませんが、マニアにとってジューシィなクビデなどクビデではありません。噛みしめる事で旨味が高まり羊の香りがグイグイと広がる、微妙にジューシィなミンチにこそクビデの魅力があります。見た目は地味かもしれませんが、ストイックに羊と向き合えるため、羊度は非常に高い料理だと思います。なお、ジュージャはジューシィに焼き上げられているので、やっぱりクビデは「敢えて」「パサパサ」なんだと思います(笑) 飽きが来そうだな〜と言うタイミングで、前述の焼きトマトないし生タマネギをかじると、一度リセットされて再びクビデを美味しく感じます。
▲マースト・ヒヤール
サッパリ頂きたい方、健康に気を使っている方には、こちらをオススメ。キュウリ入りのヨーグルトで、非常にスッキリしております。
いきなり名古屋のお店からスタートしましたが、こちらは日本トップクラスの現地的な味わいを有するイラン料理店だと思います。名古屋メシも良いですが、イラン料理に関心がある方であれば、旅行中に訪問する価値のある一軒です。
【プロフィール】
Yuya Otani
海外と全国を飛び回り、鮨、日本料理、中国料理、エスニック料理(全般)を食べ歩いている食の旅人。
経費や「ゴチ」の世話にはならず、身銭を切って消費者目線でリアルな意見を伝えている。有名店だけでなく知られざる名店を開拓するのが大好き。
鮨、日本料理についてはブログにて紹介中。
すしログ
http://edomae-sushi.hatenablog.com/
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