みなさんこんにちは!春の訪れも徐々に近づいて、子羊たちが生まれる季節ですね。
まだまだ寒さの続く青森より<北里ひつじ工房>のサクレです。
最近ふと考えたことがありまして、
「ヒトにとってはいいことずくめの羊毛利用だけど、ひつじにとってはどうなんだろ?」
ということ。
毛刈りを終えたばかりのひつじたちを見るとちょっと心もとないルックスに
「あったかいのとっちゃって悪いねぇ」と思ったりしなくもなかったり(笑)
でも実は、ひつじたちにとっても羊毛の利用は不可欠なのです!
今回はその理由についてお話させていただきます^^
■ひつじには毛刈りが必要!
まずはこの写真をご覧ください!
▲これはなに?モンスター?いいえ、ひつじです! 出展:https://www.abc.net.au
このもこもこの塊はニュージーランドのメリノ種羊のシュレック君。
毛刈りを嫌がって、実に6年間にわたって洞窟に逃げこんでいたひつじなのです…!
ようやく発見されたときにはこの姿になっていたそうですが、
こうなっては視界は狭いし、身体も重くて仕方なく、逃げることもままなりません。
捕らえられたシュレック君から刈られた羊毛はなんと総重量27㎏!
一般的なオスのメリノ種の毛重量が7㎏であるのに対して4倍近い重さです。
どうして放っておくとこんなことになっちゃうのかというと、実はひつじの毛は勝手に抜けおちたり、生えかわったりしないのです。
それもそのはず、毛が勝手に抜けてしまっては羊毛を使うことができません…!
人類がひつじたちと共に暮らし始めたのはなんと1万1000~1万2000もはるか昔のこと。
食料として飼われ始めた彼らですが、人類はそのふかふか長い毛に目を付けました。
自然に暮らしていた野生のひつじ(ムフロンやアルガリ、ウリアルの仲間)は季節に応じて毛が抜けおちて生えかわります。
しかし羊毛を利用したい人類にとってこれは困りごと。そのため人類はひつじの品種改良を重ね、
「毛の生えかわらない」ひつじを作りあげ、今日までこれを利用してきました。
そんなわけで、ひつじたちの毛は伸びっぱなしの生えっぱなし。
放っておくと、衛生的によくないのは勿論のこと、排泄に障害が生じたり、ウジがわいたりと、
場合によってはひつじの命の危険にもなり得ます。
だからひつじたちには人の手による毛刈りが必要なんですね!
▲豪州の毛むくじゃらひつじクリス。羊毛の重量はなんと40㎏! 出典:https://www.cnn.co.jp
余談になりますが、わたしの<北里ひつじ工房>で扱うひつじはコリデール種とサフォーク種なので、
シュレック君のような塊魂状態にはなりませんが、やはり毎年の毛刈りは欠かせません。
日本の夏はじめじめと暑いですしね~。
余談がてらにもひとつお話しすると、ひつじを座らせて毛刈りするときの、
お尻をぺたんとして座らされているひつじの姿がかわいくて好きです(笑)
▲この体勢で毛刈りしてプロなら3分ほどで刈り終わるとのこと!
【プロフィール】
中村咲蓮
北里大学獣医学部獣医学科在学。奈良に育ち、青森に住まう。
獣医になるべく勉強する傍ら、大学で廃棄されていた羊毛という資源を活用することに使命を感じ《北里ひつじ工房》をたちあげる。
フェルトドールから実用小物までなんでも製作してみたいこの頃。
ファンキールックスと裏腹に手芸が趣味だと驚かれることもしばしば。
Howdy! This post couldn’t be written any better! Reading through this post reminds me of my old room mate!
He always kept chatting about this. I will forward this write-up to him.
Pretty sure he will have a good read. Thank you for sharing!