コラム旅羊 ~その5〜シルクロード・ムラト(埼玉県)

前回は東京・初台の名店シルクロード・タリムさんをご紹介しましたが、今回は日本におけるウイグル料理店の先駆けである、埼玉・与野のシルクロード・ムラトさんをご紹介いたします。

こちらは南与野駅から約1.6km離れたマニアックな立地ですが、2000年代前半から続く、ウイグル料理の老舗です。今でこそ池袋や西川口の「現地的な中華」が脚光を浴び、今まで少なかったエリアの中国料理を頂けるようになりましたが、10数年前にウイグル料理専門店を出されたとは、英断中の英断でしょう。
確かな味わいに魅了された方に支えられ、今に至るわけですね。

お店の外観はウイグルのロードサイドレストランのような風情(笑)
きらびやかに輝くネオンが否応なしに目を引きます。
タクシードライバーの方も「ああ、あの派手なお店ね」と一発認識されました。

肝心のお味はと言うと、申し分無い味わいです。
シルクロード・タリムさんと遜色ないクオリティのお料理を頂けて、
特に羊肉系の一品料理は首都圏随一なのではないかと思います。

羊のタンの塩茹でである【ティル】は嫌なクセが無く、香りとして羊を楽しめます。

 

ウイグル風ミートパイである【グシ・ナン(ゴシ・ナンとも)】はサクサク生地と羊肉が最高の組み合わせ。

 

メニュー名は【シシ・カワプ】で、中国語で言うところの「羊肉串(ヤンロウチュアン)」。
肉と脂身を織り交ぜて串打ちしている点がこちらの工夫。
立地柄かクミンと辣椒(唐辛子)が控えめだったので、マニアな人は増量でオーダーされてください(笑)

 

こちらの【ラグメン】麺が申し分のない美味しさで、具が多種多様な点が特徴。
ジャガイモを用いている点に加えて、生姜と花椒を爽やかに利かせている点に中国色が強いと感じます。
そして、ニンニクとニンニクの芽を使っているので、力強い味わい。
シルクロード・タリムさんよりもアレンジを利かせている印象のラグメンです。

 

ウイグル式のピラフ、【ポロ】。
羊肉を使用しているとは思えないほどに親近感のある味わいかと思います。
羊肉に少し抵抗感がある方でも頂けるのではないでしょうか。

 

長年愛されている理由に納得の味わいです。
家族経営らしい温かみのある接客、雰囲気も強く記憶に残りました。

 

 

【プロフィール】
Yuya Otani
海外と全国を飛び回り、鮨、日本料理、中国料理、エスニック料理(全般)を食べ歩いている食の旅人。
経費や「ゴチ」の世話にはならず、身銭を切って消費者目線でリアルな意見を伝えている。
有名店だけでなく知られざる名店を開拓するのが大好き。鮨、日本料理についてはブログにて紹介中。

すしログ
http://edomae-sushi.hatenablog.com/

 

 

 

 

 

うまいける勝沼

新羊社通信 編集部員

蒲田にある「うまいける」という羊串居酒屋が大好き!と、羊齧協会で叫びまくっていたら、いつのまにか名前が「うまいける」に。
3歳のころからジンギスカンを食すという、羊肉の英才教育を受けたスペシャリスト。

関連記事

  1. コラム旅羊 ~その1〜旅羊の魅力

  2. 羊のお店は増えているのに、輸入量は微増の謎。【20210620・新羊通信社社説】

  3. 新羊社通信の週間羊ニュース!(20/09/24)

  4. 同じ羊を喰らう 第三回目 羊について考える時、カレーについて考える時

  5. 新年あけましておめでとうございます!

  6. 羊の香りは草食動物の香り

  7. 同じ羊を喰らう 第二回目 寒い国の羊の熱々ポイント

  8. 同じ羊を食らう第五回目 突然の台湾編

  9. 羊齧協会とは2020年8月バージョン

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. 2021年 7月 01日
    トラックバック:100 percent free arab dating sites
  2. 2021年 8月 06日
    トラックバック:keto zucchini recipes

募集中の協会イベント

  1. 【募集中】中国延辺料理宴会(朝鮮族料理)の雰囲気も含め最新が味わえる!会@羊炭長…
  2. 【満席・終了】出版記念パーティー
  3. 【満席・終了】国産羊企画その2 南相馬市小高・相馬羊の宴

人気記事

PAGE TOP