改めて、羊齧協会とは?2020年の新しいご挨拶。
2012年に書いた「羊齧協会とは?」が古くなりましたので、今年の頭に書き換えましたが、それをさらに
コロナ期を経てと言う形で書き換えました。思えばこの8年色々あったなと思いつつ、まだまだできることも有るよねとも。
そういう気持ちも踏まえて、新しくした「羊齧協会とは」を改めてご紹介いたします。
== ここから ==
羊齧協会は2012年よりこの名前で活動を始めた団体で、2000名近い会員と、関西、北東北、広島、長野の4支部を持ち、消費者主導で羊肉を盛り上げ、我ら消費者が羊肉をどこでもいつでも美味しく楽しめる世の中を作ろうと言う啓蒙団体で、食の素人が集まり、素人の声を業界に届けるために活動を行っている団体です。
イベントは延べ200回以上開催。動員数も15万人を超えました。
▲羊フェスタの状況。 ▲イベントの状況
また、2016年から開催している羊フェスタは、好きな人が集まり、好きなものを盛り上げる流れの元祖イベントであり、この「すごい素人たち」文脈はここから始まった!とみんなで勝手に思っています。
おかげさまで、活動を初めて8年。その昔は「なぜそんな変なことをやっているのだ?」と言われた我々も。「美味しいお店どこですかね??」と言われるまでになりました。これは、すでに隔世の感でして、どうにか我々の活動が実ったなと思いつつ、消費者の熱い思いは集まれば世の中が変わる!と、強く思った次第です。
消費者が楽しくいつでも羊を齧れるようになるために、一部の人だけの「業界」に消費者の目と消費者の思いを届けることにより、業界を活性化し、消費者が不利にならないように監視する消費者のための団体としての基本は今後も維持しつつ、新しいコロナの時代も消費者がいつでも何処でも楽しく羊を齧れる世の中を作るため我らは活動を続けていきます。
明治以降多くの先輩達が夢見ていた羊普及の夢が実現しつつあります。そして、コロナを受け我々はどうするのか??羊肉はどうなるのかを改めてまとめ、「羊齧協会とは2020」としてご挨拶を書き直してみました。
■羊肉の今まで、そして、コロナ前の盛り上がり
▲コロナ前までこのように大いに盛り上がっておりました。
羊肉は日本に正式に入ったのが明治後の新しい家畜です。日本人に親しみがなく、最初の導入理由が羊毛を得ることだったためもあり、食肉として長らく不遇な状態に置かれておりました。国策やメディアの情報に翻弄され、きちんとした評価がなされなかった結果、世界で唯一羊肉に「安い、硬い、臭い」と言う見当違いな評価をし、世界中より失笑を受ける事態となっています。
しかし、近年多くの人が羊肉の魅力に目覚め、輸入量も増大(羊肉は99%が輸入)。ジンギスカンのみならず、多くの羊肉を扱うお店が登場し、大手チェーンのグランドメニューにも追加され、首都圏のスーパーですとだいたい羊肉が手に入る状態まで来ることができました。輸入国もアメリカ、フランス、イギリス、アルゼンチンと増え、プロジェクトメンバーも多くの問い合わせをいただき、これからが羊肉の出番!と、業界関係者が盛り上がっている時に起こったのが、コロナウイルスの世界的流行です。羊業界は小さな業界で、羊愛を持つ様々な立場の方の努力がやっと実り始めた矢先の出来事です。
■コロナ期で感じた業界の弱さ
今まで、あんなに盛上っていた羊肉ですが、コロナの時期で一気に縮小しました。
商社の倉庫には在庫が溢れ、飲食店は軒並みクローズ。他の食材はその代わりスーパーで売れたりしていたのですが、羊肉にはこの流れは起こらず、今に至るまでつらい状況が続いています。我々は業界として羊肉は盛り上がっていたけど、実際は脆弱なものだったことを痛感しました。また、国内で頑張る多くの生産者のお肉も行き先を失い、業界全体が打撃を受けています。
■それを受け、家庭でも羊をもっと広めたい
原因は明らかで、羊肉が家庭に入りテーブルミートとして普及していなかった事です。みなさん、家庭で羊肉食べていますか??その時の料理法は??おそらく「家では食べない」「BBQの時ラムチョップ買うぐらい」と言う人がほとんどではないでしょうか??
それが、羊肉の現状であり弱さであると我々は考えています。
そして、この状況を変えるため、協会はレシピ本の出版や家庭向け調味料のPRなど多くのことを行ってきましたが、まだまだ足りませんでした。今後のコロナ後の世の中に備えるため、また、次に起こりうる変化に対応するためにも、羊の地位の向上や販売先や消費者の育成が大切だと気づきました。
■そもそも、なんで羊をテーブルミートにしたいのか?
そもそもなぜ広めるのか?ですが、羊肉は世界で愛されるグローバルフードで、栄養価も高く宗教的禁忌も少ない世界のごちそう肉です。その羊肉を世界で日本人だけが「臭い硬い安い」などという誤解をしており、それが、多くの国の人より疑問視されています。また、世界の食肉で最も位の高い肉である羊を知らない事は、新しい食との出会いの機会損失とも考えますし、食を通して他国の文化を知り受け入れていく事の拒絶とも考えます。
今後酪農従事者が減り食肉生産量が落ちる日本において、中山間地の狭い土地で飼え、輸入の飼料をそこまで必要とせず、小柄で取り回しの良い家畜である羊は、日本の今後の食を支える大事な家畜だと考えているからです。
今まで、様々なことを多くの方たちと進めてきました。今後も状況はどんどん変わっていきますが、それに合わせて柔軟に進んでいこうと思います。羊肉好きが生きやすい世の中を作るため、引き続き努力していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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