Vol.5 ひつじ工房より“羊毛のおしごとQ&A”

本格的な冬がやって参りましたね!
みなさんウール着てますか~?
雪景色の青森に暮らしているとウールのマフラーやコートが手放せません。

さて、今回は北里ひつじ工房が普段やっている羊毛に関わる作業についてご紹介します。
というのも、最近、行く先々でひつじ工房のお話をさせてもらうと、

「この羊毛はどうやって染めてるの?」
「羊毛はどうやって洗うの?」

などなどの質問をいただきます。
なかには「興味があるから、ちょっと体験してみたい!」といってくださる方も。

多くの人に関心を持っていただけているようでうれしい限りです!

そこで、そんな疑問や関心にお答えしようと思います。

▲色とりどりに鮮やかに染まるウール。ふわふわカラフルで可愛いのです。

■羊毛はどうやって洗うの?

Vol.1でご紹介した通り、刈ったままの羊毛は脂(ラノリン)でベタベタ、
その脂っぽさといえばちょっと触っただけで手が
テカテカする程です(笑)

モノづくりをするためには、しっかり洗わなければなりません。

しかしここで問題になるのが、羊毛は石鹸と水のなかでは繊維が絡み合いフェルト化しやすいということです。
みなさんはウールのセーターなんかを洗濯機でいつも通りに洗ったら縮んじゃった!なんて経験ありませんか?

そこで繊維にやさしい、フェルト化しにくい洗剤として、わたしはモノゲンを使用しています。
なじみのない名前かもしれませんが、1940-50年代にはウール・おしゃれ着用中性家庭用洗剤として親しまれていた洗剤です。

▲1982年のCMより。ひつじがパッケージに描かれてるあたり、ウール洗いに適していることが伝わります^^

 

とはいえ、スーパーやドラッグストアではなかなかみかけませんよね。
羊毛洗いを体験してみたい、という方に代用できるものはないの?と尋ねられました。

ご安心を!おしゃれ着用の中性洗剤ならだいたい使っていただけます。
つまり、家庭でおなじみのアクロンやボールドで十分です。
あとは羊毛をお湯に浸けて脂を浮かせ、お湯に洗剤を溶いてまた羊毛を浸けます。

このときできるだけジャブジャブしないこと!繊維同士が摩擦するとフェルト化してしまうからです。
汚れがひどいところを指先でやさしくつまみ洗いするだけにとどめます。


▲洗毛ビフォーアフター!ベタベタなだけでなく茶色くなって塵まみれの羊毛もまっしろふかふかに!


■羊毛はどうやって染めるの?

羊毛は比較的に染めやすい繊維です。
特別な媒染剤を用意しなくても鮮やかな発色で染まり、これも羊毛が長きにわたって愛され利用されてきた1つの理由でしょう。

さて、そんな羊毛をいったい何で染めているかというと、
わたしは化学染料(合成染料)という人工的に化学反応から作られた染料を使っています。
ホームセンターや生活雑貨店(loftや東急ハンズなど)でも買い求められて、染めるのも簡単です。

その手順は、

  1. 染料の粉末を沸かしたお湯に溶く。
  2. 1. に酢を加える(羊毛のタンパク質を酸で変性、染めやすくする=媒染)。
  3. 羊毛を染料溶液に浸けて、温度が下がらないように加熱・20分放置。

 

以上です!

 


▲デニムブルーを染めるべく、青とベージュをmixしたりと工夫します。

 

ともすればお料理よりも簡単かもしれません(笑)唯一ながら重要な難しいポイントとしては、思い通りの色を混ぜ合わせて作ることだろうと思います。

天然染料では染めないの?と尋ねられることもしばしばです。
藍染や草木染もナチュラルな色合い風合いが出せて楽しそうだなあと思うものの、
煮出したり媒染液に浸けこんだりと難しそうでまだ挑戦できずにいます^^;
コーヒー染めや紅茶染めもできるんだそうで、ぜひともやってみたいと考えております!

ということで、今回はひつじ工房の活動について寄せられた疑問にお答えしました。

こんなことが知りたい!教えて!という疑問がありましたら、ぜひコメントに投稿してください!

 

【プロフィール】
中村咲蓮

北里大学獣医学部獣医学科在学。奈良に育ち、青森に住まう。
獣医になるべく勉強する傍ら、大学で廃棄されていた羊毛という資源を活用することに使命を感じ《北里ひつじ工房》をたちあげる。
フェルトドールから実用小物までなんでも製作してみたいこの頃。
ファンキールックスと裏腹に手芸が趣味だと驚かれることもしばしば。

 

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